2008年4月3日木曜日

ナボーカ作成にあたって

 事の起こりは11月25日に東京ビッグサイトにて開催されたホビーコンプレックス02、浅井真紀氏のディーラー、F-Faceブースにて。

浅井氏「パパンになってください(超要約)」

 こうして、その場に居合わせたつわものどもは自分だけの神姫を作ることになったのです。
 通称、宿題神姫。
 製作規定は次のとおり。


 使用可能な既製品は、MMS素体(ネイキッドは頭部含む。これがないと始まらない)、汎用ジョイント・パラベラム(プレタポルテ・オートクチュール)、神姫用頭部・プライマリ(当時は001アルフェニムのみ)、公式神姫付属の拡張ジョイント、以上。
 ガンプラや他プラモデル、フィギュア、公式神姫からのパーツ流用不可。
 武装やヘッドは各種マテリアル(プラ版・プラ棒、パテ、真鍮線、特例としてコトブキヤやウェーブのディテールアップパーツ、ジョイント、海洋堂リボルバージョイント等の汎用部品・ジョイント)を駆使してイチから自作すること。
 締め切り、およびおひろめ期日は、年をまたいだ2月24日のワンダーフェスティバル2008冬。

 RyoRIにとってはめっさ高いハードルでした。飛び越えるバーがかすんで見えません。それもそのはず、当時のRyoRIはパテをまともにこねたことすらないフルスクラッチ素人だったからです。
 でも作りました。以上。

 ……で終わっちゃうのもアレなので。
 実動はだいたい一ヶ月ちょっとです。それも本格的に製作が始まったのは一月下旬からです。
 それまでは、神姫用の小物(武器)を作ったり、顔を整形したり、チマチマとした小改造、小製作をいくつかこなして経験を積んでいました。この間にパテをこねて宿題神姫の大まかなパーツを作っては潰し作っては潰しを繰り返して、納得の行く形や仕様が思い浮かぶまでリテイクしまくっていました。

 構想はホビコンの帰りに固まり、
「人の形にとらわれない異形の神姫を作ろう!」

「モチーフはゼノギアスのクレスケンスとロマサガ2のワグナスとMSのガブスレイの脚だな」

「腕とか脚とかなくてもいいよね」
 という流れで、モンスターチックな神姫を作ることが決定していました。

 三つのモチーフのミックスがハーピィ・スタイル、手足欠損+ワグナスがクストゥス・スタイル、という風になりました。手がないのは両スタイル共通なのですが。
 当初はクレスケンスのように頭のジョイントから前翅を、背中から後翅を生やし、腕と脚はないだけ、のデザインにするつもりでした。が、どう頑張っても首のテンション不足で断念せざるを得ず、主翼をバックパックに依存させる事に。結果的にこれが強度を確保する事になり、ウラヂーミルのフレキシブル変形を生み出すきっかけになりました(腕がないのにあたかも腕が生えているように見えるという錯覚もおまけでついてきました)。また、ワグナスに似た蝶の後翅は大腿部拡張ジョイントを利用することになり、図らずもモチーフどおりとなりました。
 武装は規定どおり、マテリアルのみで作っています。プラ版で二次元形状(平面形状)を作り出し、そこにもう一軸をパテで盛り付けていく方式です。場合によっては最後の一軸方面にプラ版を立てて、パテを盛るゲージとして使う(プラ版を立てた内側にのみパテを盛ってゆく)とともに、強度を確保することもありました。
 ほぼすべてのジョイントには、パラベラムのオートクチュール、特に3.3C(凹パーツ)を大量に使いました。各関節には強度確保の為にリボルバージョイントを流用しています。リボルバージョイントの径は3ミリなのですが、プラストライプや接着剤で太らせてあります。

 ヘッドはプライマリの眼球パーツとオートクチュールの5.0C(頭部用凹パーツ)を接着したものに、ジョイント用の3.3Cを2個取り付け、ポリパテで頭蓋後部を作成、このときにフェイス部分を非接着で付けておき、完成後に表情交換できるようにしてあります(眼球部も破損したときのことを考えて両面テープにしとくんだったと後悔)。また頭蓋前部も真鍮線接続にし、前髪と後頭部を着脱可能にしてあります。後々バイザー状の武装を追加製作する場合にも、手間がかかりません。
 頭髪はポリパテ頭蓋の上にエポパテを盛り付け、デザインナイフ一本で整形してます。べた付きを抑えるために若干量のメンタームを混ぜております。もちろんこの頭髪整形も人生初の試みでしたが、なかなか上手くできたと思います。
 眼球シールはプライマリ001のもの(旧式)に、ミリペンで縦長の瞳孔を入れて爬虫類おめめにしてます。はがれやすいので後で新型シールに交換する予定。
 フェイス部分はプライマリ001をそのまま流用ではなく、サル顔気味だった鼻の下を掘り込んでリアル寄りにしてあります。

 素体はネイキッドフレッシュ1に光沢トップコートを吹いただけです。
 現在ネイキッドそのものが売り切れのため、予備素体がほしいところです。

 結果的に武装フルスクラッチとなり、自作スキルが跳ね上がりました。ホビコンでの宿題がなければ、ここまでスキルアップすることはなかっただろうし、ナボーカにも出会えなかったでしょう。
 スターターに点火してくれた浅井真紀氏、および、製作にあたって多方面からアドバイスを下さった武装紳士の方々に心からの感謝を申し上げます。

2008年4月2日水曜日

ニンフェット型MMS ナボーカ 設定編(途中)

タイプ:ニンフェット型MMS(MMS type NYMPHET)
素体名:ナボーカ(NABOKA)
固体名:コアントロー(Cointreau)


概要:
 一個人によるハンドメイド武装神姫。作者とオーナーは同一。
 フェイス部分にアマチュア神姫パーツディーラーF-Faceのプライマリ001アルフェニム(小加工)、コアユニットおよび素体にオフィシャルのNAKEDモデルを流用しているほかは、すべて手作りの部品で構成されている。
 AIもフリー素材やウェブ公開されているプログラム、参考書等を用いて作者本人が組成を行っており、モデルとなった神姫がいない。ただしやはり素人によるプログラミングのためか一部にミスがあり、正常に起動はしたものの、オフィシャルの神姫よりも初期段階で卑猥になってしまっている。
 具体的には通常、オーナーの年齢などで規定され(いわゆるチャイルドロック)、また育成次第で変動するはずの倫理レベル(オーナーが成人しており、かつそのような目的で育成した場合擬似的な性行為も可能になる)が最初から振り切れており、卑猥な発想、卑猥な発話を平気で行う。
 要するにこのままではセンターに赴いてバトルに参加することはおろか人前に出すことすらはばかられるため、応急的措置として外出する際や他人とコミュニケートする時には発話機能を切って言葉を話せなくしている。
 起動後のリプログラムはリスクが高く(どこをミスったのかオーナー本人さえ分からない)、また卑猥である以外はいたって普通に活動しているためバグではなく個性とみなされ、かつ、イベント配布を目的としたアマチュアコアユニットという扱いでもないため公式によるサポートが受けられない。よって性格的な問題はこのまま放置される見込みである。

 パーソナルネームは『コアントロー』であるが、MMSの起動手順上名づける必要があるため付いているだけである。ナボーカタイプは彼女一体のみなので、オーナーももっぱら「ナボーカ」「なぼ子さん」と呼んでいる。


武装について:
 ナボーカの武装はすべてのオフィシャル武装神姫に共通する「人型もしくは人型の機能を拡張する武装デザイン」にはなっていない。装備状態は半人半怪物の異様なシルエットとなり、戦術も「格闘型」や「射撃型」など在来のカテゴライズにおさまらない独特のものとなる。
 「非人型によるより高次元での戦況適応」をテーマにしており、「装備状態がナボーカにとっての素体状態」という奇抜な発想から来ている。固定された武器がほとんど無いのもそのためで、バトル時はこれにさらに個々の武器を取り付けていく。
 人間型の関節可動システムに準拠しないため、純正武装よりも多くの訓練期間を必要とする。


部品概要:
・複合リアユニット ウイングアーム“ウラヂーミル”
 ナボーカの高次戦闘適応力の要となるパーツ。武装のシルエットは異様であるが、構成は既存の神姫に多く見られる背部武装依存のスタンダードなタイプである。
 本パーツはリアウイングAAU7に匹敵する飛行機能を持ちつつ、各部に可動関節を配することによって変形次第でチーグルのようなサブアームとしても使用できる。変形といっても形が明確に分けられられてはおらず、状況に応じてフレキシブルに動かす。「ウイングかサブアームか」ではなく、「ウイングでサブアーム」である。
 各部にジョイントが配されているので、さらに武器を搭載することができる。
・1.0mmスパイカー
 ウラヂーミルの手のひらに内蔵された、ナボーカ唯一の固定射撃武器。相手に突き刺さった後貫通しないスパイク弾を高初速で連射する機銃。弾の性格上射程が短銃系統以下で、命中精度も良いとはいえない。それらのデメリットを高い発射サイクルで補う、いわゆる「ばらまき系」の武器である。
 ターゲットの後方に壁などがあった場合、串刺しにすることもある。
・補助推進器“アーダ”
 二の腕ジョイント部分から腕を丸ごと交換するスラスター。本体部分と整流器を兼ねたロック部品からなる。
 手持ちの武装が一切使用できなくなるが、代わりに軽量化と大きな推進力を手に入れた。肩関節は生きているので、三次元推進ノズルとして用いることができる。
・ホーンディフェンダー“マルゴ”
 複合樹脂で作られた防御用装甲パーツ。山羊の角のような意匠のため、おもに後頭部の汎用ジョイントに装備する。
 片方が途中で折れているのはデザインである。
・レッグユニット“マーシェンカ”
 鳥を模した逆関節の脚部パーツ。つま先で物を掴むことができ、“アーダ”の装備で失われた素体腕の代わりとして機能する。かかとの部分にジョイントがあるので、拡張性も向上している。
・エルロンヘッダ“プニン”
 飛行時における安定、機動補助のためのエルロン。マルゴの代わりに頭部に装備する。翼端にジョイントがあるので、ここにも武器を装備できる。
・レッグアセンブリ“シーリン”
 プニンと同じく飛行補助のための尾翼パーツ。蝶の後翅のような形が特徴。主に大腿部拡張ジョイントに装備し、プニン、および後述の“ローラ”と併用する。
・補助推進器“ローラ”
 大腿部から下を丸ごと換装するスラスター。マーシェンカの代わりに装備し、多くはシーリンと併用する。


武装状態:
ハーピィ・スタイル
 ナボーカの基本となる武装状態。空中戦、地上戦双方に高いレベルで適応する。
 ウラヂーミルを折りたたんだ時を収納体勢、写真のように横に広げウイングとして用いる時を通常体勢、肩基部関節を展開しウラヂーミルをサブアームとして使う場合を地上戦闘体勢と呼ぶ。ただしこれらの呼び名は便宜的なもので、どこからが通常体勢でどこからが地上戦闘体勢なのかという分け目はない。
 バトル時にはこれにさらに各種武器を追加する。

クストゥス・スタイル
 四肢をすべて補助推進器に換装し、翼パーツであるプニンとシーリンを装備した、空中専用の武装状態。全体が一個の飛行機械として機能するため、在来の飛行型神姫を凌駕する空中性能を有する。
 ただしハーピィ・スタイルにあった汎用性は失われており、この状態では地上に降りることもできない。
 離陸には専用のカタパルトを使う。